国家を存続するためにもっとも必要なのはなんでしょうか?
経済でしょうか。
国民の幸せでしょうか。
政治家の安泰でしょうか。
それとも、軍備?
それは、その国のポジションです。
国家を国家たるさせる境界線になります。
その境界線がどんな色を持つのかは、その国家が自分自身をどう規定するのかによって、国家の内面が決まり、外交が決まります。
そして、その境界線を経済、政治、軍事、貿易などあらゆる場面で保持することが、その国家の命題となります。

境界線の保持が国家の命題
当然、自国の境界線を保持しようとすることは他国も同じです。 境界線をめぐる対立の構図が生まれます。
この構図の中で、種別な同盟が生まれ、秩序が生まれてきます。
この観点からみれば、安保法案は、境界線を保持しようと意気投合する国家間で結んだ約束となります。 安保法案の場合、軍事的な敵を同じくする意気投合であって、国家の内面の充実を目的とはしていません。
境界線の保持をより堅持しようとすればするほど、境界線はその色を濃くしていきます。それは他の同盟を刺激し、色濃くなる連鎖の可能性が高まります。
この国家の内面は、その境界線に基づく国民となります。 当然、国民の中でも同じ色の境界線が増えることになり、国家が支持する教育もそのようになります。

国家の境界線を保持するには、その境界線に基づく国民が必要になる
国家を存続するためにもっとも必要なのは、ポジションでした。
では、国民の幸せや平和を保持するために、国家がもっとも持つべきポジションとは、どんなポジションでしょうか?
それは、ポジションの固持を必要としない、認識の次元を変えられるポジションです。
境界線ありきからの議論では、境界線を色濃くする方向性しか生まれません。 境界線を失うこと自体が、国家を失うこと。つまり、国民の幸せや平和を失うことと錯覚してしまうからです。
また、境界線を持つことで、その保持に忙しくなり、本当に解決しなければならない問題に気付くことができなくなります。 これは、人類にとってもっとも避けなければならない事態ではないでしょうか。
もっとも解決すべき問題を発見し解決できないということは、全ての国民の幸せと平和の充実に直結します。
境界線のない次元から、あらゆる事項を再認識する。 事の対処には、境界線のある国家として、その能力を活かす役割を分担し、これに対処する。
認識の次元を変えられる基軸となる教育を持つこと。
これが、次世代の国家の姿ではないでしょうか。

by Charlotte NC Child Portrait Photographer
現在の安保法案は、旧来の国家が示す約束です。 これが国民の幸せと平和を保障しないことは、既に多くの世代が観てきました。
どんな国家を創造するのかは、国民の役割です。
国家についての対立構造は、「認識のクセによって争いが止まらないメカニズム」でもご紹介したとおり、私たち個人一人ひとりにもそのまま適用できます。
私たち自らが、境界線を固持しない教育、認識の次元を変えられる教育に関心を持ち、人の内面から生み出される関係性と、その先にある国家を現わすことが求められているのかもしれません。
今回の安保法案成立の先に、何を見据えるのか。
先ずは自らの涙を拭い、喜びの涙に変えることを可能とする教育コンテンツとは何かを思索することではないでしょうか。
本当に求めるべき教育は、あなたの手で育てることができます。
私はそんなことを考えます。
あなたはどう考えますか?
国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を成すことができるのかを問うて欲しい。
ジョン・F・ケネディ

by thesmuggler- Night of the Swallow