技術革新によって雇用が失われる!?じゃぁ、技術って何だ?


日本は、技術大国として、戦後目覚ましい発展を遂げてきました。 そして、今も政府は技術大国の日本を外交のカードとして、国内の経済活性化のカードとして使っています。

先日のインドネシアの高速鉄道受注が中国に敗れた報道を見る限りでは、技術だけでは他国と競争に勝てない状況になっているのがうかがえます。

by Rivan Awal Lingga / Antara Foto / ロイター / アフロ

技術は、数多くあるカードのうちの1つでしかないようです。

とはいっても、世界をリードしている分野はいくつもあります。 ロボットや宇宙工学、金型や測定器など、最先端技術や繊細な技術です。 これらの技術が生かされる分野が、最近話題になっています

人工知能の発展によって人間の雇用が失われるという話や、多くの雑誌でも取り上げられている、モノのインターネット化と呼ばれるITO(Internet of Things)など、技術革新は今の時代も目覚ましいものがあります。 日本の技術も、この市場に大いに介入していくのは必至ですが、しかし、どこか遠い話のようにも聞こえます。

技術の本質は、限界突破です。 これまで不可能だった世界を可能な世界に変えていける道具だといえます。

技術は 不可能だった世界を可能にしてくれる

今の技術革新は、いかに「消費力を上げるか」がテーマになっているように見えます。 人件費を抑え、稼働率を上げ、ミスを少なく、ピンポイントで営業をする。 技術の革新から人間味が感じられなくなっています。 どこか遠い話のように聞こえる理由かもしれません。

アジアの奇跡と呼ばれている戦後の日本の経済発展を支えてきたのは、技術です。 そこには人間味が溢れていました。

戦後間もないころは、人の苦しみを解決する技術革新。 高度経済成長の始まりからバブルが生まれるまでは、ワクワクする技術革新。

戦後の日本は、食糧不足で、東京でさえ一日に千人以上の餓死者がでるほどの状況でした。国会前には畑が創られ、闇市が暗躍し、お金よりも物々交換の方が価値があった時代です。

国会議事堂前が畑だった by 写真特集:戦時下の「食」(2008年8月掲載)

そんな頃、魚群探知機を創った兄弟がいます。 電気工で漁船の修理を生業としていた兄弟が、アメリカ海軍の音響測深機を改良し、なんども失敗を重ねながら、改良に改良を重ねながら魚群探知機を完成させます。

しかし、漁港の漁師たちからは、バカにされたり、白い目で見られたり、全く相手にされず、テストをするための漁船に乗れない状況いに直面します。

そんな時、漁港で漁獲高最下位で低迷していた船主の協力をようやく取り付け、テストを実施。改良しながら続けた結果、3か月連続で漁港トップになるという成功をおさめます。

これを機に、多くの漁船に乗ることになった魚群探知機ですが、この技術革新の裏にあった兄弟の思いは、 「一匹の値段が下がれば、多くの人がお腹いっぱいになれる」

食べ物がなく、ひもじい思いで溢れている涙を歓びの涙に変えたい。その意志がこの技術を生みだしたのです。

一匹の値段が下がれば、誰でも食べることができる

もう1人。それは松下幸之助です。

彼は戦後、会社を立ち上げます。それ以前は、アメリカの家電製品の修理で生計を立てていましたが、日本人の日本人による日本人のための独立した経済を取り戻さなければ、日本の未来はないと決意し、日本の材料を使った日本製の製品を創る会社を設立します。

初期のころに多く売れた商品が、二股ソケットです。 その当時、家の中の電気といえば、裸電球1つ。この薄暗い電球1つで、リビングを照らしていました。 そこに、電球を2つ取り付けられるソケットを開発しました。

電球が1つから2つに増える。たったその程度の明るさの変化でも、日本全体が薄暗く、夜になれば家族の顔もよく見えない世界を、一気に明るくさせることができました。家族の顔がはっきりと見えるという歓びが、二股ソケットの爆発的ヒットと共に広がります。

他にもこのころの日本には、開発に悪戦苦闘しながら、誹謗中傷や時には命を削る取り組みで開発されたものが多くあります。 そのどれもに共通するのは、単なる消費を活性化させることではありません。

「苦しみの涙を歓びの涙に変える」 その問題意識に向かう姿勢が、これらの技術を生み出したといえるのではないでしょうか。

日本の技術には、この「苦しみの涙を歓びの涙に変える」技術がいたるところで花開き、多くの人がその商品を使うことで、自分のいる世界から変えていくことができた動きがありました。

技術の本質にある命題は、 「今、一番解決しなければならない問題とは何か?」 ではないでしょうか。

最も解決するべき問題に着目せずして、革新はない

今の日本は先進国の中でも、課題先進国と呼ばれています。 少子高齢化や年金破たん、財政、エネルギー、経済、心の問題など、多くの課題を持ち、そこには数多くの涙があります。

今の日本の中で、命題に基づいた技術の花が咲き、多くの人がその技術を使うことができれば、それは世界の希望にもなるはずです。

苦しみの涙から、歓喜の涙に変える技術。 日本が持っている隠れたカードをもう一度、磨く時が今のように思えてなりません。

サービスを提供する側も、される側も。

#技術 #問題解決 #日本

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