台湾総統選挙。自由民主主義と共産主義がくすぶり続ける隣国・台湾


by operationworld

台湾の大統領を決める台湾総統選挙が16日に行われます。

僕は、2000年に一年の2/3ほど仕事で滞在していたことがあります。 ちょうど、民進党の陳水扁氏が選挙に勝ち、台湾で初めて政権交代が起きた年です。

その渦中で、とても印象的だったことが二つあります。

一つは、投票日前の日曜日に起きた、街中での選挙活動です。 まだ、朝8時前後の朝っぱらにも関わらず、爆竹は鳴らす、候補者の大きな看板を軽トラに乗せ、大音量の音楽をかけながら、ゆっくりと街中を練り歩く光景に遭遇してしまったのです。

休日の朝に、爆竹の音で飛び起き、睡眠を妨害するといわんばかりの選挙活動に、唖然とするばかりでした。

もう一つは、選挙の当日です。 平日の昼下がり、一緒に仕事をしていた台湾人たちが、まだ仕事中だというのに、一斉に仕事を止め、帰ろうとしているのです。

どこへ?と聞くと、選挙へと。

何を言ってんの?仕事中でしょう!と。 これも唖然でした。 でも、その理由を聞いて、僕の方が恥ずかしくなったんです。

その理由とは、 「自分の国のリーダーを決めるのに、仕事なんてしてられない。私たちにとっては選挙の方が大事なんです」

この話を聞いて、自分の国の選挙に対する姿勢の方がおかしいんだと、初めて自覚した経験でした。

さて、台湾の国はちょっと複雑です。

先の大戦において、日本の敗戦とともに、中国へ実効支配という形で吸収されました。 日本はその後、サンフランシスコ講和条約で主権を取り戻します。同時に台湾統治の権利も放棄しますが、その後の権利の所在が明確になっておらず、誰が統治するのかが曖昧のまま、現在に至ります。

台湾は独立国家として主張し、中国は台湾を中国の一部だと主張したりと微妙な立場に置かれてしまっているのです。

実は日本は台湾と国交を結んでいません。 日本は、中国と先に国交を結んだ手前、台湾を国家と認めていないのが日本の立場なのです。

台湾の政治は大きく民進党と国民党に分かれています。 民進党は、台湾を独立国家として進めていく立場。国民党は、中国と連携を強化していく立場です。

去年、政権を握っていた国民党が、中国との関係をより強化するために「サービス貿易協定」を制定しようとしました。それに反対した学生たちが、立法院(日本の国会議事堂にあたる)を3月18日から4月10日まで占拠し、その後、社会運動へ広がるという事件が起きました。(通称ひまわり運動)

サービス貿易協定は、台湾と中国の貿易の自由化を進めるものです。それにより、中国の大手企業が、台湾の企業の買収に乗り込んでくると懸念されました。メディアやメーカー、スーパーなどが乗っ取られ、台湾人の雇用や主権が奪われる危機を感じて運動へと発展したのです。

台湾が中国化されることを懸念した国民たちが、国民党にNOを突きつけたことになります。 この時に学生たちによって制作された動画は、反響を呼びました。

by 台湾学生による運動のメッセージ

日本の隣の国と言えば、韓国ですが、台湾も沖縄のすぐ隣ですから、隣の国と言えます。 この日本の隣の二国には共通点があります。 それは、自由民主主義と共産主義の戦いの渦中にあるということです。

世界歴史は、自由民主主義と共産主義の戦いが繰り返されています。そして、今現在、アジアがその主な戦場となっています。

先日、サウジアラビアとイランが国交を断絶するというニュースが飛び込んできましたが、サウジアラビアはアメリカと同盟を結んでおり、イランはロシアとの密接な関係を持っています。 http://mainichi.jp/articles/20160105/k00/00e/030/168000c

by mainichi

韓国では、北と南で半島が二分され、現在もくすぶり続けています。 そして台湾では、国内の政治が、民主主義側と共産主義側に二分されているのです。

アジアで唯一、自ら近代化に成功した日本。 日本が敗戦したことで、アジアはそれ以来、未だに両主義の勢力ゲームボードと化しています。

日本の文化は、世界化されました。 和食はもちろん。アニメや音楽、服装など、多くの人々が好んで世界中で触れる機会が生まれています。 まるで「和を以て貴しとなす」と言わんばかりに、宗教や習慣、主義に関係なく、多くの違いを和心を紡いでいます。

二大主義勢力は、いまだに力による世界秩序形成のただ中です。 一方日本は、力で秩序を形成しようと失敗し、二つの原爆をその胸に抱きました。そして今、ソフトパワーで、多くの心を和によって紡ぐことが出来ています。

力による勢力形成では、どちらか一方の尊厳を潰さない限り、くすぶりを止めることはできませんが、和心の文化なら、自分の尊厳を無限大発揮することが、全体の尊厳の為になる方向性を提示できます。

日本が二大主義勢力を補いながら、心を和によって紡ぐ力を発揮する使命があると、隣の二国を見るたびに思い起こされて仕方ありません。

まるで、「日本は、創るべき道があるでしょう!いつまで眠っているの!」と言われているかのようです。

16日の台湾総統選挙が無事に終了し、新しい扉が開かれることを願ってやみません。

#戦争 #平和 #歴史 #国家 #日本 #台湾

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