
人間が思い浮かべることのできる、あらゆることすべては、たった4つの項目の中で起きていることって、言われたら、どう思われますか?
本当なの?と思ってしまいます。
例えば、
「友達とカフェに行っておいしいケーキを食べて、楽しい時間を過ごした」
この話の全てがった4つの項目の中なんて。
例えば、
「朝、洗濯物を外に干して出かけたら、通り雨が降って来て、台無しになったのがショックだった」
なんてことも。
他にも、
経済で起きていること。本屋に並んでいる書籍の内容すべて。
幸せを実感したり、寂しさに襲われたり。
トトロを見て、ホロっとしたり。
学校で学んだことのすべて。
楽しいことも、悔しいことも。
見たり聞いたり5感覚でキャッチしていることも。
あなたの頭で思い浮かべることができたものはすべて、たった4つの項目の世界の中で起きていることなんです。
1.有限の世界
一つ目は有限の世界。
逆の言葉は無限の世界ですね。そう、「境界線のない世界」のこと。
有限の世界は、「境界線がある世界」を指しています。
脳は、「境界線がない世界」は認識することができないという特性を持っています。
一番身近な境界線と言えば、言葉・単語です。
名前の付くすべてのことは、必ず境界線があります。
その境界線に対して、固有の名前を付け、読んでいるのです。
まったく同じものを指しているのに、その境界線が変わるだけで、呼び名が変わることもあります。
例えば、H2O。水ですね。
0度になれば、氷と呼び名が変わります。
100度になれば、お湯。
お湯から立ち上がる気体には、水蒸気。
空から降ってくれば、雨。
地表に流れていれば、川。
川が流れ着く先には、湖や海があります。
空に上がって白く漂うものは、雲。
他にも雪や雹、霧や氷河などなど。
境界線の様相が変わると、別の名前が付いています。
2.部分の世界
部分の世界は、どこからどこまでの「範囲」が見て取れる世界です。
先ほどの水で例えるなら、ここまでは水、ここからは氷という範囲を分けることができる世界です。
私たちのいる現実の世界は、部分の集合体とも言えます。
あらゆる部分が複雑に重なり合い、絡み合い、それでいて一つの系を織りなしている。
どこかの部分で「正しい」ことだとしても、別の部分では「誤り」になってしまったりします。
また、ある部分では「必要」なことでも、別の部分では「不要」だったりします。
条件や状況・環境が少し変わるだけで、自分のいる世界の全てが変わったかのように思えることも少なくありません。
部分であったとしても、他の部分と相互に循環し合いっています。
隔離された部分の世界はありません。
3.違いの世界
部分の世界があれば、違いの世界も生まれます。
例えば、部分と全体。
部分の世界を作り出せば、同時にその世界をすべて包み込む全体の世界が生まれます。
二つの世界には違いが生まれます。
買い物をするときによくする相対比較は、実はこの違いを見ているんです。
さらに言えば、
違いがあるからこそ、観察することができます。
違いがあるからこそ、出会うことができます。
違いがあるからこそ、変化を創ることができます。
違いがあるからこそ、感じることができます。
違いがなくなってしまえば、これらの世界はすべて消えてしまいます。
私たちが5感覚で捉えているすべては、違いです。
4.過去の世界
人は目の前で起きたことを理解しようとするときは、必ず、自分の過去のデータバンクにアクセスして、理解しようとします。
自分の知っている世界にアクセスして、物事を理解しようとするんですね。
頭の硬い人は、知っている世界との関連性が強く、逆に柔軟な人は、関連性を柔らかくつなげたり解いたりすることができる人だといえます。
どちらにせよ、人の考えていることの全ては、自分の知っている世界の中にいるんです。
ちょっと強引な表現をすると、自分の知っている世界の外から情報を取り入れない限り、自分の知っている世界に捕まれている、過去の世界の中で生きていることになります。
これを「怖い」と思うのか「面白い」と思うのかも、あなたの知っている世界との関連した結果、思うことなんだということですね。
さて、ここまで4つの項目を見てきました。
これが本当だとしたら、あなたが今、気にしていることは、「違い」を見た結果だと言えます。そして、自分の「過去のデータバンク」とつなげて考えた結果です。

気になることを、4つの項目を使って整理してみましょう。
●どんな違いを見ているのでしょうか?
誰かとの比較?何かの出来事との比較でしょうか?それとも、知っている情報との比較でしょうか?
●何を気にしてしまうのでしょう?
気にしている世界が部分だとしたら、全体は何でしょうか?
その部分があるのだとしたら、別の部分もあるはずです。別の部分とはどんな部分があると思いますか?
気にしている部分をさらに分けてみましょう。どんな部分の集まりだったのでしょうか?
小分けした部分の中で、これを外したら気にならなくなる部分とはどれでしょうか?
●気にしている範囲は?
どこからどこまで(いつからいつまで?、どんな内容からどんな内容まで?)を気にしているんでしょうか?
それは、自分だけに当てはまるものでしょうか、それとも他の人にも当てはまるものでしょうか。
●気にしている自分はどんな自分?
気にしていることの境界線を一本だけ残すと、二つの世界が現れきます。
片側は、あなた自身。もう片方は気にしている対象です。
対象が気になってしまう自分とはどんな自分なのでしょう。どんな自分がいるから、その対象が気になってしまうのでしょうか?
この質問で分かることは、
「どんなあなたが、どんな部分に対して、なぜ気にしているのか」
が構造的に整理できます。
構造的に整理できたら、次は、その自分で「あり続けていきたいのか」の質問ができます。
その自分でいる限り、その世界を創り続けてしまうのです。
変化するべきは、その自分だということになります。
多用で複雑な世界でも、脳で思い浮かべる事ができる世界なら、4つの項目を使うことで、必ず整理できます。
今回は、「気になること」をテーマに4つの項目を使ってみましたが、逆に創造的に使っていくことも可能です。
クリエイティブ編は、また今度整理してみましょうね。