
疎通の課題に問題意識を持ち、その解決に取り組んでいる僕ですが、その解決法として選択しているのが「技術」です。
今回は、なぜ技術にこだわりを持っているのかをお伝えしたいと思います。
3つの理由をあげてみました。
1.誰もが限界を超えることを可能としたものが技術。
2.技術が社会に溢れれば、その限界で悩む考えさえも消えてしまう。
3.戦後の日本から生まれた技術には二つのタイプがある。その両方が必要な時代。
「技術」を簡単に説明すると、
「出来ない」ことを「出来る」ようにさせてくれるもの。それが技術です。
私たちのライフスタイルは、多様な技術によって成り立っています。
身体ひとつでは、体温調整さえ簡単ではありませんね。
洋服を作るのにも、技術が必要です。
他にも、建築や空調、車や電気、インターネットやテレビ等々、気が付けば、目につく範囲だけでも、数限りない技術に囲まれていることが分かります。
技術のことをちょっと深めてみましょう。
1.誰もが限界を超えることを可能としたものが技術
よく僕はカフェでイベントやトレーニングを行っています。そこでよく飲むのがブレンドコーヒーです。
お店によって、濃かったり、苦みがあったり、マイルドだったりしますね。
コーヒーを入れてくれる人は、職人さんではありません。アルバイトです。
なぜアルバイトがそのお店のブランドのコーヒーを入れることができるのでしょうか?
そこには、装置があるからですね。
その装置の「正しい理解」と「正しい使い方」をマスターすれば、誰もがそのお店のブランドのコーヒーを入れるという「限界突破」ができます。
つまり技術とは、「正しい理解」と「正しい使い方」をマスターすれば、誰もがその特定の「限界突破」を可能とさせるものと表現することができます。
そのような技術が可能になったのは、科学の発展が大きく影響を与えています。
科学自体が、再現性を条件としています。
その科学の応用として発展したのが技術です。
なので、誰もが限界を突破させることができるようになったということですね。

2.技術が社会に溢れれば、その限界で悩む考えさえも消えてしまう。
技術は、誰もが限界突破させてくれるものだと表現しました。
だとすると、技術として社会に溢れているものは、誰もが限界突破できることになります。つまり、その限界を突破できずに思い悩んだり、苦しんだりすることがなくなることになるのです。
例えば、
僕らは、毎日の生活の中で、「火」を起すという悩みを持つことはありませんよね。
「今日、火を起せないから、お風呂入れないなー、どうしよう」
「火がなくてご飯が創れないや。どうしようかな」
そんな悩み、考えたことありますか?
ありませんよね。
それは、今の社会の中に、火を起す技術が溢れているからです。
もし、設備の整っていないキャンプ場に行ったとしたら、火を起す悩みが始まるかもしれませんね。
つまり、日常の生活の中で限界突破させる技術が溢れていれば、その限界について悩む考えそのものが消滅してしまうのです。
現代人がよく悩むのは、「健康」「将来」「お金」「自己価値」「人間関係」だといわれています。これらに共通する課題といえば、「疎通の課題」です。
この疎通の課題を突破する技術が日常に溢れれていれば、僕たちはそのことについて悩む考えそのものが消滅してしまうということになります。
素敵なことですよね。
その悩むことで浪費されるエネルギーや時間、お金を別のより創造的なところへ向けることができるのですから。
最後は、
3.戦後の日本から生まれた技術には二つのタイプがある。今はその両方が必要な時代。
ちょっとだけ歴史の話になります。
日本は先の大戦で政治も経済も国民の生活も立ち行かないほど、何も無くなってしまいました。
何も無くなってしまったところから、朝鮮戦争をきっかけに徐々に持ち直していきます。
多くの人たちの努力により高度経済成長の波に乗った日本は、アメリカをお金で買えるといわれるほど、劇的に成長しました。
1970年代から現在までの技術を表現すると、多くの消費を引っ張ることを良しとした技術だといえます。
大きな経済効果を生み出すことができ、社会へ与える影響が大きければ大きいほど、いい仕事をしていると思われがちです。一挙に億万長者にさえなれますしね。
逆に、敗戦間もないころから、1970年までの技術の特徴は、「最も解決すべき問題」に力がそそがれた技術でした。
ひとつエピソードをご紹介します。
魚群探知機って、日本人が開発をしたのをご存知でしょうか。
敗戦間もない頃の話です。
渋谷の町には親を亡くした子ども達が溢れ、一ヶ月で1000人もの餓死者が出る、そんな状況でした。
ご飯を調達するには、闇市に行くしかなく、そこではお金よりも物々交換が重宝されていました。
そんな時に、ある漁港で漁船を相手に電気工の仕事で生活をしていたある兄弟がいました。
その兄弟が闇市に寄ったときに、ある装置に関心を持ちます。それは、アメリカ性の潜水艦探知機です。
「その原理を使えば、誰もが魚をとれるんじゃないか」
そんな閃きから、その兄弟は漁船から魚を探知する機械を作り始めます。
何度も試作を繰り返し、いよいよ試してみないとという段階になったところで、漁師達に交渉を持ちかけます。
しかし、誰も相手にしてくれません。
「漁師の仕事をなめているのか」
「そんなことをしたら仕事が無くなってしまうじゃないか」
そんな中、漁港の中で一番漁獲量の少ない漁船のオーナーが会ってくれることになりました。
返事は「とりあえずやってみたら」というもの。
すぐに漁船に装置を取付け船員と共に乗り込みテストを始めます。
しかし、そう簡単にはうまくいきません。
探知機が海藻に反応したり。ゴミやスクリューの泡に反応したり。
船長から海に突き落とされることもあったそうです。
ある時、その漁船が大量旗を掲げて港に戻ってきました。
港では、そんなこともあるんだなというくらいの反応でした。
しかし、その次の日も大量旗。その次の日も大量旗を掲げて帰ってきたのです。
その数ヵ月後には、日本で一番の漁獲量をあげる漁港へと変わっていきます。

なぜその兄弟はそこまでして探知機の製作にこだわったのでしょうか。
「魚を大漁にとることが出来れば、一匹の値段が安くなる。お腹一杯に食べることができる」
食糧問題を解決すること。
これがあの状況の中で兄弟が解決すべきだと取り組んだ理由だったのです。
この時期には、松下幸之助や本田宗一郎など、解決すべき問題に取り組んだ技術者がたくさん今いました。
もし、時代が進んだとしても「最も解決すべき問題」に向き合う姿勢を国をあげて取り組んでいたとしたら、日本は国際的に活躍する人材を教育する国家として、時代を牽引していたのではないかと思います。
しかし、今の時代は多くの消費を促す技術に関心が向かう傾向にあります。
その限界は、結局のところ、人へ集約されているようにも感じます。
そんな時代だからこそ、「最も解決すべき問題」を突破することができ、尚且つ「消費を促す」技術が必要ではないかと考えているのです。
これが、
僕が「疎通の課題」を技術にこだわって拡げていきたい理由になります。理由は他にもあるんですけどね。
「疎通の課題」を解決する技術を身に付けた人材が社会に増える事によって、この時代から「疎通の課題」に対する悩みをすぐに解決できる時代を創っていくこと。
これが、僕の夢の一つです。
一緒に疎通の課題を解決する革命を起こすのってどうですか?(笑)
絶賛募集中です。