今回は、ちょっとした問答をご紹介します。
とあるお坊さんがやっている勉強会に、「本当の自分」を探している人が相談にやってきた、という話です。(パパジ、私に『私』と会わせて下さい!)より

ある崇高だと評判の坊さんに相談に来た人がいます。
相「本当の私を探してします」
坊:うん。そうなんですね。では、あなたの探している本当の私はどこにいますか?
相 :それが分かりません。
坊:そこへはどんな手段で行きますか?
相:それを知りたくてきました。
坊:車で行けそうですか?それとも飛行機?船かな?、歩いていくの?
相:それでは行けません。
坊:なぜ?
相:・・・
坊:なぜ?行けないの?
相:ここにいるからです。
坊:どこにいるの?
相:ここにいるからです。
坊:誰が?
相:私がです。
坊:そう、今ここにいるよね。
相:・・・
坊:あなたが探しているのは、今ここにいるんだよ。
相:???
坊:あなたが探していたところは間違っていたよね。
相:・・・
坊:あなたの探し物は、どこにいる?
相:・・・今ここです。
坊:もう、そこから動いてはいけないよ。どこへ行こうかと考えてもいけない。感じようとしてもいけない。それらは動きだから。
相:!
坊:動きはじめると、また、違うところへ探しに行っちゃうでしょう。
相:あぁ!(笑)
坊:本当の私はどこにいるの?
相:今ここにいます(号泣)
坊:それが答えだよ。

解説する必要はないかもしれませんが、少しだけ。
お坊さんは、「どこに」本当の自分がいるのか、という観点を使って、気付いてもらおうとしています。
相談者は、その質問が理解できずにいますが、最後には理解できて、探していた本当の自分にたどり着いた、という流れでした。
お坊さんの「どこへ行こうか考えることも動くこと」が、ポイントですね。
探し求めてしまう出発がすでに本当の自分ではない。
本当の自分から出発すれば、探す必要もない。
本当の私はどこにいるの?
今ここにいます。