分からない、難しい、そんな時こそ仕組みで見る

何かを学ぼうとするとき、必ずその進捗を妨げてしまうのが「分からない」「難しい」ですよね。
これは、人間が脳を使って物事を理解し考えようとしている限り、切っても切り離すことができないものです。
どれだけ多くを知ったとしても、それと同時に分からないという「無知の知」という領域が生まれてしまいます。
この理屈はこうです。
認識構造の特性として、部分的情報(相違点)を全体のように解析してしまいます。
さらに、過去のデータバンクにアクセスして、物事を理解し解析してしまいます。
これでは、自分が知っている世界の延長線上でしか、物事を理解することしかできません。さらに、自分が理解したことをその存在や世界のすべてだと解析してしまうために、他の解析を走らせることが難しくなります。
先入観というのがその例です。
目の前の存在を知っていると解析してしまうと、それ以上、深く理解しようとしなくなります。
すでに知っている世界をさらに探求しようとすることが難しくなるんですね。

さて、理屈が分かったとしても、この理屈を一人で乗り越えるには大変な努力が必要です。
例えば、ここでお伝えした認識構造の仕組みについて、僕自身が明確にその構造を発見し理解し説明することができるまでに、数か月かかっています。
今では、1分もあれば伝えられることですが、そこに至るまでには地道な観察と検証を繰り返して、自分の認識を変化し続けて初めて見ることが出来たものばかりです。
ではどうすればいいのか。
認識構造を逆に活かして、より効率よく生産性のある学びを得ることができます。
その最低限の条件を今回はお伝えしたいと思います。
1.ビジョンを持つこと
「なぜ今のままではダメなのか」「何を変えるべきなのか」を明確にする必要があります。
この設計図があれば、どこからどこへ向かっているのかを迷わなくてすみます。
変化に対する方法論や概論は、本当にたくさんありますが、シンプルに言えば自分の現在地が変わるだけのことです。
自分がどこにいようと、どんな状態であろうと、どこから出発してどこへ到着しようとしているのかが明確であればあるほど、迷いに時間を取られることが少なくなります。
2.質問に答えてくれるトレーナーの側にいること
認識構造の影響で、どうしても脳は知っている世界に基づいて理解し解析しようとしてしまいます。
そうすると必ず起きてしまうのが「自己流」という問題です。
これは残念ながら自分では全く気付くことができません。
頭に眼鏡を付けた状態で、眼鏡はどこにあるのかと探しているのと同じですね。
さらに、「何をどのように考えればいいのか」「このやり方で正しいのか」といった手探りの状態が最も生産性のない時間となります。
そんな時にトレーナーのような人物がいれば、間違っていれば修正をかけてくれます。
無駄だと思えることにもじっくりと時間を費やすこともできます。
僕の場合は、観術創始者のNohJesuがトレーナーでしたが、たった一言もらえるだけでも、軌道修正や安心して取り組める安定感がありました。
これがあるのと無いのとでは、時間的にも心的に大きな違いです。
3.同じようなレベルの人と共に取り組むこと
これは自分のモチベーションや学びを刺激してくれるとても重要な要素だと思います。
この仲間がいるかいないかで進捗は大きく変わってくるでしょう。
残念ながら僕の場合は、ガッツリと共に取り組む人がいた時といなかった時があります。
初期のころはいませんでした。
そのため、今では数分で伝えられるような基本的なことを得るのに、数か月もかかっていたのです。
仲間がいれば、失敗も気付きも共有することができ、自分の知っている世界にはない観点を共有してもらえることで、深さも同時に得ることができます。
4.危機感、切迫感
自己変化といっても、誰かが助けてくれるところもあれば、自分だけでしか動かせないところもあります。
また、その対象が技術のような不特定多数の人でも再現可能な内容であれば、習得するまでに地道な努力が必要になります。
地道な努力は本当に大変の一言です。
「誰かが言っているから」「そんな時代だから」という自分以外に変化の原因を創ってしまうと、途中で諦めるスキが生まれてしまいます。
地道な努力は結果として実るまでに、膨大な心やエネルギーの投入が必要です。
観術では人生とは、「どんな人が、何をするのか」で語りますが、現代は「何をした人(結果や実績)で、どんな人なのか」を評価されますよね。この影響は自分自身を評価する基準にも影響を与えています。焦りや諦めは現代の基準によるものです。
他にも情報過多や人間関係の疎遠など、自分を変化させるのには邪魔な要因がたくさん溢れています。
その中で、「なぜ自分が変わらなければならないのか」その初心に立ち戻る「感情」が必要です。
それを、危機感切迫感という言葉で現しました。
どうでしたでしょうか。
どの項目においても認識構造をうまく活用した要素が含まれています。
「一歩でも、それでも前に」
初心の願いが、現実の世界にも現れますよう、応援しています。
